「ひと喰い介護」安田依央著

公開日: 更新日:

 妻に死なれ、72歳で一人暮らしになった武田清がいちばん困ったのは食事だった。「株式会社ゆたかな心」という宅配の手作り弁当のチラシがあったので、1食1200円と高いのが気に入り、ためしに注文したら、うまい。配達担当者が味噌汁をサービスしてくれたのを機に、月契約にした。 担当者から武田がかつては一流会社の社員だったということを聞いた責任者の新海房子は、担当者の失言のおわびを口実に武田に会い、介護業界に新風を吹き込もうとしている自社の社長を紹介する。そして、武田が骨折したとき、選ばれた人たちのためのクラブ・グレーシアに一時的な転居を勧めた。

 一見、理想的に見える介護施設を舞台にしたサスペンス。

(集英社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭