「脱落者」ジム・トンプスン著 田村義進訳

公開日: 更新日:

 8月の終わりの午後、保安官補のトム・ロードと娼婦のジョイスを乗せた大きなコンバーティブルがテキサスの西の外れを走っていた。止まったのは、アーロン・マクブライドが監督責任者を務めるハイランド・オイル&ガス社の試掘井のやぐらと付帯施設の前だった。作業員の話では、マクブライドは必要な機材が届かず作業が一日中断しただけで、全員を解雇したという。

 トムとマクブライドの間には確執があった。トムが幼いころ失踪した母が息子の手元に残したのは、一見、最悪に見える土地の採掘権だった。大金持ちになるはずだったトムに取引をもちかけたのがマクブライドだったのだ。

 西部の町の原油採掘権をめぐるサスペンス。

(文遊社 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭