「失われたアートの謎を解く」青い日記帳監修
盗難や戦禍などにより失われた名画をテーマにしたアートエッセー。
1990年3月、アメリカ・ボストンにある美術館で前代未聞の盗難事件が発生。フェルメールの「合奏」をはじめ、計13点の美術品が盗まれ、その被害総額は美術史上最高の約5億ドル(約560億円)といわれる。伝説の美術品泥棒たちが名乗りを上げたが、いまだに解明せず、美術品も1点も見つかっていないその事件の経緯と謎を解説。他にも、ピカソらまでが容疑者に名を連ねた1911年の「モナリザ」盗難事件や、ナチスが進軍した地域で持ち去った約400万点もの美術品の行方、そして1945年に阪神大空襲で焼失した日本人実業家所有のゴッホの「ひまわり」など。名画の黒歴史をたどる。
(筑摩書房 960円+税)