「ひりつく夜の音」小野寺史宜著

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 クラリネット奏者の下田は、所属していたバンドの解散後、音楽教室の講師をしながら、ほそぼそと暮らしていた。46歳の今、かつてのような音楽への情熱を見失い、自分でもこの先の見通しが立たない。

 そんなある夜、警察から電話を受けた下田は、駅で喧嘩した音矢の身元引受人を依頼され、迎えに行く。初めて会う音矢は、二十数年前に別れた恋人の留美の息子だった。聞くと、12年前に亡くなった留美から、どうしても困ったことがあったら頼るよう下田の名前を教えられていたという。下田は留美が亡くなったことも知らなかった。下田は、再びトラブルを起こした音矢を自宅に連れて帰る。音矢はギタリストだった。

 人生に行き詰まっていた中年ミュージシャンを主人公に描くジャズ小説。

 (新潮社 550円+税)

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