「毒殺倶楽部」松下麻理緒著
大学時代のミステリー研究会のOB会に参加した香織と祐二は、車で帰宅途中、道路に倒れていた男に遭遇。ひき逃げされたようで、男は死んでいた。翌日、被害者が新人ミステリー作家の柏原だったと分かった。香織は、以前に祐二から借りていた柏原のデビュー作「毒殺倶楽部」を読み始める。小説は毒殺に興味を抱くマリオと名乗る男の視点で描かれていた。
作中でマリオは、ネットで知り合った中学生のノームや初老のオビ、看護師のナース、そしてOLのリリーとオフ会「毒殺倶楽部」を定期的に催す。作家志望の祐二が以前に原稿を持ち込んだ雑誌編集者の大沢が柏原の担当だった。大沢は「毒殺倶楽部」が実在しているのではないかと疑っていた。
作中作と現実が交錯する長編ミステリー。
(朝日新聞出版 740円+税)