「屋上」島田荘司著
神奈川県T見市のU銀行の屋上から行員の俊子が転落死。状況は自殺だが、上司の住田は信じられない。俊子は、屋上の植木に水をやりに行く直前までイケメン婚約者の自慢話をしていたのだ。翌日、帰宅しない婚約者の俊子を心配して田辺が銀行に現れた。対応した住田は、田辺が俊子の死に心からショックを受けていると感じる。
数時間後、住田の部下の小出がまた屋上から転落死。屋上の植木は、1カ月前に抵当に入り処分された大女優・礼子の屋敷から運び出されたものだった。
住田は礼子の怨念を恐れる一方、部下らと隠蔽した強盗事件との関係を疑う。そんな中、住田のもう一人の部下・細野も屋上から転落死する。
不可解な事件に名探偵・御手洗が挑む長編ミステリー。
(講談社 980円+税)