「『面白い』のつくりかた」佐々木健一著
常に「面白い」を求めて走り続けるテレビ業界に身を置く著者は、そもそも「面白い」とは何かを問い続け、ある結論に至った。それは面白いとは「“差異”と“共感”の両輪である」ということだ。差異とは、われわれがラグビーワールドカップで味わったように「勝てないと思っていたのに、勝っちゃった」といった、予想・想像とは異なる結果への「驚き」や「ギャップ」「意外性」「落差」だという。
一方、共感とは「“元々の自分”を前提として、相手の中に“自分の一部”を見出すこと」。この相反する概念が共存することで深い共感が得られるのだという。その他、どうしたら新しい企画やアイデアが生まれるのか、取材(=学び)とは何かなど。話題の番組を生み出してきたその発想術を惜しげもなく公開。
(新潮社 760円+税)