「人はなぜ税を払うのか」浜矩子著

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 俳優の中井貴一さんが東日本大震災の被災者の皆さんに何ができるか考えて、たくさん仕事をして、たくさん税金を払うのが一番だと語った。その時、筆者の中で「人はなぜ税金を払うのか」というテーマが芽生えた。アメリカのジャーナリスト、ロバート・フランクは架空の「リッチスタン」という国を構想した。ずばぬけて高い税率を適用されるリッチスタン人が、自分に関わりのない制度やサービスを維持する必然性はないと考え、シンガポールなどの租税回避地に移動したら? リッチスタン型遊牧民が増えれば増えるほど、中井貴一型納税者が減れば減るほど、弱者の生存権は脅かされる。

「弱者」の視点で税を見直した一冊。

(東洋経済新報社 1500円+税)

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