「夢は捨てたと言わないで」安藤祐介著
関西の球団から戦力外通告を受けてスーパー「エブリ」に就職した樫村栄治。ある日、社長に呼ばれて「お笑いをやって欲しいんだ」と言われた。総菜売り場のパート社員の中に何人かのお笑い芸人がいる。彼らを支援するために、催事場でプロジェクト「お笑い実業団」をやれというのだ。
店長に集められた芸人たちは、若手芸人の登竜門となる番組「爆笑ホットプレート」の放送作家、名島卓が関わると聞いて色めきたつ。しかし、現在の所属事務所との契約を解除しなくてはいけないと気づいて動揺する。いい年して往生際悪く夢にしがみついている芸人ばかりなのだ。
捨てられない夢に懸ける元野球選手とお笑い芸人たちの物語。
(中央公論新社 1600円+税)