「落語DE古事記」桂竹千代著
日本最古の歴史書「古事記」は、天武天皇の部下、稗田阿礼が記憶していた伝説や伝承を、元明天皇の命令で太安万侶がまとめたもの。つまり、たったひとりの記憶力に基づいて書かれたのだ。
著者も芸人だから記憶力はよく、客の顔はちゃんと覚えているが……。
あるとき客に「おれ、前にオマエの落語見たんだけど、おれのこと覚えてるー?」と聞かれた。「もっ……もちろん覚えてますよ!」とは言ったが覚えていない。さらに「どこで会ったか覚えてる!?」と聞かれた。結局、5年前に歌丸師匠のかばん持ちとして前座を務めたときのことだと判明。2000人入る(!)静岡の大ホールだった。
大学院で日本文学を専攻した落語家が「古事記」を分かりやすく解説。
(幻冬舎 1300円+税)