「花電車芸人」八木澤高明著
花電車芸とは女性器を使うストリップ芸。花電車のように、見るだけで「乗れない」芸者がそう呼ばれた。色街で花電車芸を披露していた娼妓らが売春防止法で職を失い、ストリップに流れたのが始まりという。今やわずかしか残っていない花電車芸ストリッパーたちの姿を追い、消えゆくその芸を記録した裏芸能史。
花電車芸には、オモチャのラッパを吹いたり、筆を操り習字をしたり、バナナを膣圧で切ったり十数種類ある。中でも飛びぬけているのが火を噴く芸だ。その芸を伝承するファイヤーヨーコという花電車芸人の海外武者修行同行記をはじめ、妻子を持ちながら性転換手術を受けてステージに立つ暁光ら心に残るストリッパーたちの生きざまにも触れながら、花電車芸の歴史をたどる。
(KADOKAWA 900円+税)