「方言漢字」笹原宏之著

公開日: 更新日:

 方言同様、漢字にも地域の差がある。そうした各地に存在する「地域漢字」や「地域音訓」を「方言漢字」と名付けて解説する日本語ウンチク本。

 札幌のマンホールに書かれていた「札」の旁(つくり)が「ヒ」のように記された異体字、アイヌ語の「ポロ」に近い訓読みの発音を持つ「幌」が定着して、「幌北(こうほく)」「幌西(こうさい)」と音読みされた地名、さらに北海道大学で作られたという「鯳」(すけそうだら)や、空港で見かけた「𩸽」(ほっけ)といった必要性に迫られて生まれた文字など。

 北から南まで各地域の方言漢字を取り上げ、中国で生まれた漢字が地域性を得ていく過程を解説。地域の歴史と文化を知る手掛かりにもなる方言漢字の奥深い世界への手引書だ。

(KADOKAWA 960円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  2. 2

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  3. 3

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  4. 4

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    松原千明ちゃんとの結婚と死会員限定記事

  2. 7

    松田聖子が『博士ちゃん』昭和歌手特集でランク圏外のナゾ…令和もトップ走る聖子らしい“こだわり”

  3. 8

    巨人・阿部監督「心折れそう」…ヘルナンデス痛恨の左手首骨折離脱で現場&フロントWパンチ

  4. 9

    「24時間テレビ」に“旧ジャニーズ不要論”噴出…20年以上続いたメイン司会途絶えて視聴率回復の皮肉

  5. 10

    やす子「24時間テレビ」での好感度上昇は諸刃の剣…早くも“イジリにくい芸人”になる懸念