「老いる意味」森村誠一著

公開日: 更新日:

 人生100年時代となり、70歳、80歳になってようやくシニア世代だと著者はいう。それは終着駅ではなく「第二の始発駅」で、今まで蓄えてきた経験や知識、そして病歴や孤独を抱えての新たな旅立ちなのだと。米寿を迎え、その旅の途中だと語る著者が、自らの実感を通して老いの生き方をつづったエッセー。

 5年前に老人性うつ病を発症。作家生命を脅かされた3年間の苦しい日々と、病を克服して新たな境地に至った現在までを回顧する。どんなに年をとっても「過去と現在をつなぐ最先端が現在である」と考えればいいという。過去に目を向ければ今の自分がいちばん年老いているが、未来に目を向ければ今の自分がいちばん若いのだからと。

 ほかにも健康法など、さまざまな視点から老いとの向き合い方を説く。

(中央公論新社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭