「老いる意味」森村誠一著

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 人生100年時代となり、70歳、80歳になってようやくシニア世代だと著者はいう。それは終着駅ではなく「第二の始発駅」で、今まで蓄えてきた経験や知識、そして病歴や孤独を抱えての新たな旅立ちなのだと。米寿を迎え、その旅の途中だと語る著者が、自らの実感を通して老いの生き方をつづったエッセー。

 5年前に老人性うつ病を発症。作家生命を脅かされた3年間の苦しい日々と、病を克服して新たな境地に至った現在までを回顧する。どんなに年をとっても「過去と現在をつなぐ最先端が現在である」と考えればいいという。過去に目を向ければ今の自分がいちばん年老いているが、未来に目を向ければ今の自分がいちばん若いのだからと。

 ほかにも健康法など、さまざまな視点から老いとの向き合い方を説く。

(中央公論新社 840円+税)

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