「本日も晴天なり」梶よう子著

公開日: 更新日:

 鉄砲百人組は大手三之門などの警備をしているが、薄給なのでツツジ栽培などをして糊口をしのいでいる。ある日、百人組同心、礫徳右衛門を貫田善七が10年ぶりに訪ねてきた。一色丹後守直安が主宰している俳諧の会に入りたいという。徳右衛門の息子、丈一郎が丹精したツツジに一色が目を留めたのが縁で、丈一郎は俳諧の会に誘われるようになったのだ。

 3日後、貫田は風呂敷包みを持って、徳右衛門父子と一色の屋敷に向かう。一色の前に出ると、貫田は突然、風呂敷包みから鉄砲を取り出し、射撃の体勢を取った。「こうでもしなければ、奴らの不正を暴けぬ」。(「化けむじな」)

 太平の世に、さまざまな事件に巻き込まれる武士の一家を描く6つの短編。 (集英社 1925円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動