「沈黙の狂詩曲 精華編vol.1」日本推理作家協会編
シングルマザーの「わたし」は、自宅でインターネット通販事業を営んでいる。扱うのは新進芸術家の作品だが、1点だけ「幸運を呼ぶアクセサリー」という場違いな商品を扱っている。価格は550万円もするが、昨夜もまた注文が入った。
実はこれは代行業者を通じて連絡が入る殺人依頼だ。中高一貫校に通う娘の学費を調達するために1回だけのつもりで請け負った殺人が、仕事になってしまったのだ。ターゲットの会社員・若木の尾行を始めたわたしは、既婚者の彼が週2回、週刊誌の女性編集者とラブホテルに行くのを突き止める。なぜか若木は浮気相手と会うときだけ普段はしない結婚指輪をはめていた。(石持浅海著「銀の指輪」)
人気ミステリー作家7人が競演する作品集。
(光文社 1012円)