「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」近田春夫著
日本一のヒットメーカー・筒美京平氏が日本の歌謡曲に残した功績を改めて見つめ直す音楽本。
近田氏が筒美氏の名を知ったのは、グループサウンズ、ヴィレッジ・シンガーズの「バラ色の雲」(昭和42年)でだった。しかし、その印象はあまり良くなかったという。しかし翌年にリリースされたザ・ジャガーズの「星空の二人」などR&Bを巧みに取り入れた曲のカッコよさに驚き、作品を書き分ける才能に驚いた。以降、歌謡界のムーブメントの中に位置づけながら、筒美作品の魅力と凄さを語る。
後半では、筒美氏と学生時代からの友人でもある作詞家や実弟の音楽プロデューサー、そして公私ともに付き合いが長い歌手らにインタビュー。筒美氏の創作の秘密や知られざるエピソードを聞き出す。
(文藝春秋 935円)