「熱風団地」大沢在昌著
フリーの観光ガイド、佐抜克郎は、成田空港で外務省の関連団体のNPO法人「南十字星」の阪東と名乗る男に声をかけられた。佐抜は大学で南シナ海に浮かぶ島国、ベサールの言葉を学んだが、ベサール王国は13年前、クーデターで共和国となった。王の第2夫人は日本人で、現在、日本に滞在している。その第2夫人が産んだ16歳の王子が行方不明になっているが、がんが悪化した王が会いたがっているので捜してほしいというのだ。
アシスタントとしてベサール人の母親を持つヒナという女性を紹介してくれたのだが、それは元女子プロレスラー、レッドパンサー潮だった。
観光ガイドと元女子プロレスラーの異色のコンビが活躍する痛快サスペンス。
(KADOKAWA 1980円)