「花折」花村萬月著

公開日: 更新日:

 高名な日本画家を父に持つ鮎子は、東京芸大に進学し、取手のキャンパス近くで一人暮らしを始める。

 ある日、鮎子はキャンパスの裏山に住むホームレスのイボテンと知り合い、彼が描いた利根川の風景画に圧倒される。鮎子は求められるままイボテンに体を許す。鮎子の部屋で寝起きするようになったイボテンは、執拗(しつよう)に彼女の体を求め、責め立てる。

 夏になり、鮎子が帰省をすることを告げるとイボテンは彼女を殴り、裏山に戻ってしまう。帰省した京都の実家には作家の我謝が寄宿していた。「花折峠」を取材する我謝の運転手を務めた鮎子は、彼とも交わる。我謝とのセックスで初めて快感を得た鮎子は、彼について沖縄に向かう。

 性に開眼しながら画家として覚醒する鮎子の青春を描く長編小説。

(集英社 836円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…