「タリバンの眼(め)」佐藤和孝著
世界の変革は辺境から始まると言う著者が、アフガニスタンのこれまでと、今を伝えるリポート。
現在、アフガニスタンを支配するタリバンの成り立ちは1992年までさかのぼる。
当時の腐敗した政権を倒すために立ち上がった「世直し」運動のひとつとして国民の期待を集めたが、代わりに立ち上げた政権の宗教抑圧的な支配で民心が離れていった。
そんな歴史から、タリバンとアルカイダ、そしてISの違い、世界各国が目を背ければ背けるほど事態が悪化していくアフガニスタンの現状。そしてソ連侵攻から40年間、民主主義国家建設の失敗によるアメリカ撤退の背景まで。現地での取材を通し、アフガニスタンを起点に、日本と世界について考える。
(PHP研究所 968円)