「キリンを作った男」永井隆著
1986年に、緑色のボトルが印象的な麦芽100%のビール「ハートランド」が発売された。キリンビールの製品なのに、「KIRIN」のロゴも入っていない。その商品開発を取り仕切ったのは、マーケティング部の前田仁だった。
キリンビールの関係者は、ハートランド発売の狙いは主力商品だったラガーを叩き潰すことだったと明かす。当時、キリンビールはシェア6割を誇っていたが、酒販免許が自由化されると定価販売は崩壊する。マーケティング部長の桑原通徳は「成功体験」を捨てなければ、変化に対応できないという危機感を持っていた。
キリンを変えるために「ハートランド」開発プロジェクトを立ち上げた男たちを描くノンフィクション。
(プレジデント社 1980円)