「ヤングケアラーってなんだろう」澁谷智子著
ヤングケアラーとは、年齢に合わないような責任を負って家族のケアを担っている18歳未満の子どもや若者のこと。家事だけでなく、ケアが必要な家族の感情面でのサポート、中には経管栄養のケアや金銭管理までしている中高生もいるという。中2の17人に1人、高2では24人に1人がヤングケアラーという調査結果もある。
その理由のひとつは、1990年代から日本は「人口オーナス」という働く人の割合が低い状況となっているからだ。
高齢化でケアを必要とする人は増えているのに、働く年齢層の人々が家庭にかけられる時間や人手は減っているという状況が構造的に起きているのだ。
子どもがケアを担う背景に迫り、彼らの置かれた状況やサポートする取り組みを伝えるリポート。
(筑摩書房 836円)