「『捨てる』思考法」出口治明著
著者は58歳で会社を退職したが、上司に「会社を辞めたら家はどうするんだ?」と言われて、自分が社宅住まいだったことに気づいた。このとき、安定した暮らしに未練があったら、退職を思いとどまっただろう。トレードオフとは、自分が本当にやりたいことを見極めることなのだ。
唐の第2代皇帝、太宗の言行録「貞観政要」には、「その身を修めるには、必ずその習ふところを慎む」とある。これは何かを習うには謙虚になる必要があるの意。人にはもって生まれた器があり、その大きさは一定で限りがあるが、器の中身を捨てることで容量を確保できる。何かを捨てる最良の方法は「判断を人に任せる」ことだ。
結果を出すための81のアドバイス。
(毎日新聞出版 1760円)