「水脈」伊岡瞬著
「水脈」伊岡瞬著
神田川沿いの遊歩道で、暗渠の排水口から死体の足が出ているのが発見された。被害者は都内の私立大学生で、暴行を受けた後、絞殺され、水路に遺棄されたらしい。現場は自宅やバイト先から離れた場所で、雨による増水で流された可能性がある。
高円寺北署の宮下真人は遊軍を組むよう指示された警視庁捜査1課の真壁修から、大学院生の小牧グレース未歩を紹介された。現代都市の構造と犯罪心理の関係を考察する修士論文の取材のため、現場を見たいという。小牧は、暗渠といっても地表近くを流れる地点があるから、そこを探せばいいと指摘した。
都市の地下を流れる水路を利用した犯罪に挑む刑事を描く警察小説。 (徳間書店 2090円)