「わたしの名前を消さないで」ジャクリーン・バブリッツ著、宮脇裕子訳
「わたしの名前を消さないで」ジャクリーン・バブリッツ著、宮脇裕子訳
18歳の誕生日、ジャクソン先生の家を追い出されたアリスは、ニューヨークにたどり着く。所持金600ドルと、無断で持ち出した先生の母親の形見のカメラだけを持って。ニューヨークを選んだのは、アリスが14歳のときに拳銃自殺した母と、顔も知らない父が出会った街だからだ。
同じ日、ルビーも恋人を忘れるためにオーストラリアからこの街に到着する。4週間後に川べりでアリスの他殺体を発見することになるとは知らずに。
アリスのニューヨークライフは初日から順調だった。アパートの家主ノアは、アリスに身の回りの品や仕事まで世話してくれる。一方のルビーは別れた恋人アッシュのことが忘れられない。
身元不明のまま死んだアリスの魂がルビーにとりつき物語が進む長編サスペンス。 (新潮社 1155円)