「姥玉みっつ」西條奈加著

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「姥玉みっつ」西條奈加著

 お麓は61歳。目が悪くなって書き物に難儀している名主に代わって人別帳を作るなどの書き役をしている。安泰な老後を送れると思っていたのに、家族とうまくいかない幼なじみのお菅とお修が転がり込んできた。しかたなく店賃が最も高い長屋の2階屋に住んでいる。

 ある日、お菅が8、9歳の少女に引っ張られて、裏の萩ノ原で女が倒れているのを見つけた。暴力亭主から逃げてきたのだが、お麓の家に運び込まれて2日後に息を引き取る。少女は口がきけないらしい。とりあえずお萩と名づけられ、お麓が引き取ることに。そのお萩が書棚にあった「古今和歌集」を夢中で読んでいた。

 3人の婆が活躍する時代小説。

(潮出版社 1760円)

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