ガーディアン紙が報道 英国で日本小説がブーム!「図書館、コーヒー、猫」が英国ウケ
英ガーディアン紙が11月23日、2024年に英国内で最も多く売れた翻訳小説は柚木麻子著「BUTTER」だったと発表。ほかにも松本清張や川上未映子らが上位にランクインし、空前の「日本小説ブーム」が起こっている。
同紙によると、英国内の「日本小説」ブームは2020年代前半から始まっており、22年には翻訳小説の売り上げの25%を日本小説が占めたという。24年には翻訳小説の売り上げランキングトップ40冊のうち、43%が日本小説だったというから驚きだ。
現在の日本小説ブームの土台をつくったのは村上春樹と吉本ばななの2人だと同紙は指摘。その上で18年に村田沙耶香著「コンビニ人間」が英国内で50万部のヒットを記録したことが起爆剤になり、川上弘美らの日本人作家が注目されるようになった。
そして、もうひとつの潮流が、図書館やコーヒーショップなどのモチーフが登場し、「癒やされる、心温まる」という宣伝文句で売り出される「コンフォートブック」と呼ばれるジャンルの盛り上がりだ。
“猫”もコンフォートブックモチーフとして人気で、17年には有川浩著「旅猫リポート」が累計100万部を突破。英国では、表紙に猫が描かれていると販売に有利に動く傾向があり、同ランキングの5位に入った八木沢里志著「森崎書店の日々」は“書店×猫”の究極のコンフォートブックだったといえる。
「コンビニ人間」を手がけた翻訳者のジニー・タプリー・タケモリ氏は日本に20年住んでいるが、同紙の取材に「(日本でも猫の本は)存在していますが、イギリスほどブームになっていません」と語る。
現地はまさに“猫も杓子も”なのかもしれない。