“温泉×本”で利用者にも出版界にも夢を
北海道札幌市の「定山渓第一寶亭留翠山亭」に今秋、「風呂屋書店」がオープン。お風呂のようにゆったりと“読書に浸る”ことができ、読書好きからは「ディズニーランドやん」などとSNSで話題になっている。
場所は、札幌市から車で1時間ほど離れた、カッパ伝説が有名な定山渓温泉。同ホテルの大浴場がある2階の約130平方メートルに、「旅」「文芸」「絵本」などさまざまなジャンルの約2500冊が並ぶ。宿泊客は、購入前に自室に本を持っていくことはできないが、書店内にある脚を伸ばせる半個室スペースでは、ゆったりと読書ができる。さらに、同じフロアにあるラウンジも利用でき、「風呂上がりに一杯飲みながら読書」なんて乙な時間を過ごせてしまうのだ。
また、宿泊しない客も午前11時から午後3時まで入場料1100円で利用可能(フリードリンク付き)。大浴場入浴と書店利用のセット(2850円)もあり、日帰りであっても満喫できる。
実はこのコラボは、大手印刷会社「大日本印刷(DNP)」が、書店以外の事業者に向けた「書店開業支援サービス」の第1弾として実現した。書店以外の他業種が“本を活用した場づくり”によってサービスの付加価値を向上させると同時に、書店数の減少に歯止めをかけることが狙いなのだ。
まさに、利用者にとっても出版界にとっても“夢のコラボ”。書店復活のカギとなるか。