“淫らな夢”を堪能 夏の官能小説特集
「黒闇」草凪優著
寝苦しい夜には、文庫本で淫らな夢を――。優しい美女たちがこぞって童貞の自分を攻めてくれる夢、巨根で性豪になって美女たちと乱交しまくる夢、あるいは、いとおしい女性が自分の目の前で男に抱かれる屈辱の悪夢でも。真夏の夜の夢をご堪能あれ。
元ミュージシャンの迫田修一は自暴自棄になっていた。人生のピークは10代、25歳で完全に停止。35歳の今、妻に小遣いをもらう負け犬であることに悔しさすら感じない。糟糠の妻はネット通販の会社を立ち上げ、今や年商数億円を稼ぐ女社長だ。離婚を求めてきた妻の恋人は人気ミュージシャン・手塚光敏という屈辱。ところが、手塚から「娘を捜し出したら3000万円支払う」と依頼され、迫田の人生は思いもよらぬ方向へ転がっていく。
本作は、官能小説の顔をもつ純愛サスペンスだ。妻になじられる屈辱と嗜虐、捜しあてた娘とその母親との肉欲の蜜月、黒い暴力に翻弄されていく惨劇のエロス。ヤマ場を随所にちりばめつつ真実の愛の行方を追う。セックス依存症の20歳の娘、すさんだ生活を経た42歳の母の肉体描写の対比は残酷だが、扇情的だ。
(実業之日本社 815円+税)
「熟女アパート」葉月奏太著
もし、エロい美熟女だらけのアパートに住んで、各部屋の住人とヤレたら……そんな男の妄想を具現化したのがこの一冊。
主人公は学生・中崎公平19歳。童貞がゆえに、女性に恐るべきトラウマを経験。上京して初めて住んだアパートで、大家の若妻から誘われて、いざ挿入というときに夫が帰宅。色情狂系若妻は嘘をつき、公平はアパートを追い出されてしまう。 その後で助けた老婆が偶然、別のアパートの大家で、住まわせてもらえる幸運に。しかも、そのアパートは、どうやらワケあり三十路の美女しか住んでいない。
バツイチの明るい童貞キラー・真奈美、夫とは別居中の人妻で顔面騎乗が好きな志帆、キャリアウーマンだが被虐嗜好の梨紗子。公平は3人の美女から淫靡なアプローチを受け、心身ともに成長を遂げる。
(竹書房 660円+税)
「乱愛のオフィス 女人万華鏡」鳴海丈著
日刊ゲンダイで漫画化連載された原作の初文庫化。身長187センチ、体重96キロの巨漢で、スーパー派遣社員・海堂大輔の活躍を描く。時には暴漢を素早く撃退し、恐怖のあまり失禁した美処女には花瓶の水でカムフラージュする優しさもある。電車内の卑劣な痴漢には急所を突いて、美人ドM秘書を守る。スーパーヒーローだが、必ず派遣先の美女たちと一戦交えるという性豪なのだ。
バイセクシュアル美女と3Pもすれば、露出狂美人女医と夜の病院内でプレー、女医と看護師と薬剤師と温泉乱交もこなせば、生理中の美人社長とアナルセックスもいとわず。通勤バスの中で、あえて失禁する快楽を楽しむ性的倒錯令嬢のお相手も。
年齢も性嗜好も異なる女たちの要求すべてに応え、調教も陵辱プレーも乱交も、器用かつ大胆にやってのける。
(三交社 722円+税)
「ごっくん美熟女 未亡人義母&叔母&女社長」鏡龍樹著
槇村昌弘は社会人3年目。愛らしい妻の希実とは、グアム新婚旅行で初夜を迎えるはずだった。ところが、希実は急性食中毒で緊急入院。代わりに、めくるめく夜を過ごしたのは、40代の義母・優香里だった。
夫に先立たれた優香里は、一人娘の希実を溺愛している。若くて美しい義母から性の手ほどきを受けた昌弘は、背徳の味わいと女体の奥深さに次第に覚醒していく。優香里の妹、つまり、希実の叔母である詩織や、自分が勤める不動産会社の美人社長とも関係をもつ。
処女である妻との初夜を迎える前に、立て続けに3人の美熟女と濃密な体験をした昌弘は、ある計画を思いつく。義母・叔母・社長、そして妻。その先にあるのは果たして女体地獄か、酒池肉林の桃源郷か。童貞に優しい妄想ファンタジー。
(フランス書院 694円+税)
「奪われた愛妻」朝霧夢幻著
妻が男にまたがって、のけぞり、快感を享受している。その動画を見て、泣きながらオナニーする男。藤本宗介52歳。
専業主婦だった妻の有希子が、元部下の男の会社で働き始めてから豹変。不倫した揚げ句、離婚まで求めてきたのだ。宗介がつきつけた離婚の条件、それは情事をリアルタイムの動画で送ることだった。
20年の結婚生活で、自分が見たこともないような痴態で快楽をむさぼる妻。まともにクンニをしたこともない宗介は打ちのめされ、激しく悔やむ。夫が後悔と憤怒と屈辱にまみれる一方、47歳の妻は不倫相手だけでなく、20代の若者、温泉地や職場での陵辱プレー、そしてハプニングバーへと快楽の深淵を追求していく。
ごく普通の熟年夫婦に訪れた転機、淫らに乱れ咲いていく妻を執拗に見守る夫の姿を描く。
(二見書房 694円+税)