なすび 「電波少年」の懸賞生活でブレークして人間不信に
当選したドッグフードで食いつなぐ期間も出るなど、懸賞生活は過酷なものとなった。衣類も当たらず全裸生活が継続。座布団で前を隠し、「軟禁されているんです」と交番に駆け込むことも考えたが、「ここでやめてなるものか!」と思い直し挑戦を続行する。賞品当選時になすびが全裸で踊る「当選の舞」はブームとなり、懸賞総額も同年12月に100万円を達成した。
その後、韓国での続編「懸賞生活inコリア」も99年3月に目標金額を無事達成、なすびは1年3カ月に及ぶ軟禁生活から解放された。
企画終了後、取り巻く環境は一変。軟禁生活をつづった「懸賞日記」は知らぬ間にベストセラーとなっており、会う人会う人が「なすびだ!」と声をかける。なすびは「声をかけてくる人は全部サクラじゃないか」と不信感まで持ったという。テレビでも引っ張りダコになるが、「もともとやりたかった“喜劇役者”と“周りから求められるなすび像”とのギャップが激しくなっていきました」と心境を語った。
一方、この時期に舞台関係者と知り合い、02年3月に劇団「なす我儘(がまま)」を立ち上げ、自身のプロデュース公演も実現。「この世界は地道に力をつけて有名になっていくか、何らかで最初に名が売れてから、やりたいことができるようにシフトしていくか。僕の場合は後者になった」とコメントした。