【対談】鈴木敏夫×権藤博 監督論から宮崎駿引退の真相まで
鈴「宮崎駿は、『何でこんなものも描けないんだ』っていう方。そりゃあ、あなたは描けるけど私は描けないんですよ、っていうね。権藤さんは名選手だったのに、名コーチ、名監督になられた。なぜですか」
権「2年連続30勝をやって、肩を痛めた。投げたくても投げられない。そのつらさ、痛みが分かっているから、選手の痛みは分かってやろうと思っただけですね」
鈴「とことんやり抜いた人がそういうふうになれるんですよね。やっぱ、ボロボロになるまで続けた人って強いんですよね。余力を残してやめる人はダメですね」
権「宮崎駿監督の引退会見を見ましたが、すがすがしくて、疲れきった感じには見えなかったですよ」
鈴「あれは、元気なように見せましたよね。簡単に言うとね、今回の『風立ちぬ』という映画ですけど、要するに(スクリーンで)ゼロ戦を飛ばしたかったわけです。でもね、もう描けないんですよ。それが引退の原因ですよね。描けなかったんです。これ、どこにもしゃべってないですけど」
権「ご自身が思うようなものは描けなかったと」