「インシディアス 第2章」ジェームズ・ワン監督
全米で興収8300万ドル(約83億円)、実に1200万人を動員したホラー映画だ。ジェームズ・ワン監督はマレーシア出身の36歳。低予算ながら、日本でも大ヒットした「ソウ」シリーズなどで知られる鬼才である。
――往年の映画ファンには「悪魔の棲む家」(1974年)を彷彿(ほうふつ)させる怪奇現象モノです。
「幽霊屋敷モノという点でも、ホラーファンにはお馴染みでしょうけど、ちょっと違うことをやったつもりです。そのひとつが、夜寝ているときに魂が肉体を離れる幽体離脱というアイデアを加えること。幽霊体験を話すとき、視界の隅を何者かが横切るといった話をよく聞きますよね。それこそ人々がゾッとする場面で、そういうときの恐怖をリアルに、日常の延長線上に描きたかったんです。封印している過去の扉を開けるとか、自分たちが怖いと思う要素をすべて詰め込みました」
――何かに憑依(ひょうい)されるのが5人家族の父親というのも新しいけど、それにしても、凄いヒットです。
「ジョシュ(父親=パトリック・ウィルソン)のみならず、登場しているのが私たちと同じように普通で、身近で親しみやすい人物ですので、共感してもらえたのかもしれませんね。だからこそ観客を『別の世界』に引きずり込めたと思っています」