「ジョバンニの島」原作脚本 杉田成道
「ほぼ全て、史実通りと思っていただいて結構です。目を背けたくなるような戦争の悲惨さは数えきれませんけれど、小学校では日本とロシアの子どもたちが一緒に相撲を取ったり、互いの国の歌を歌い合ったり、海で遊んだりしていたのです。そうした交流も、強制退去までの3年間にはあったと聞きました」
――この秋、プーチン大統領が来日しますが、この問題を取材して、どのような感想を持たれましたか。
「もちろん4島返還がベストですけれども、返す返さないという問題だけではない部分も小さくないのではないかと感じました。あれから来年で70年ですが、その間、何も行き来がなかったわけではありませんし、4島で生まれ育ち、今も暮らしているロシアの人たちにとっての故郷でもあるわけなんですよね。ただ日本の領土なのだから出ていけ! ではなく、交流の余地を残すといいますか……。島には美しい、手つかずの自然がたくさんあり、夜は満天の星がきらめいています。観光特区のようにする方法もあるのではないでしょうか」
――今回の作品でこだわったところ、見てほしいのはどのあたりですか。