青春映画の巨匠・恩地日出夫監督は“遺作パート2”準備中
60年代半ばから東宝で内藤洋子や酒井和歌子を主演に「あこがれ」「伊豆の踊子」「めぐりあい」などの青春映画を、瑞々(みずみず)しい感覚で撮って注目された恩地日出夫監督(81)。また、「独占!おとなの時間」(現テレビ東京系)の司会でも知られた。さて、今どうしているのか。
会ったのは横浜駅前のホテルの喫茶室。ウ~ン、実にキマっている。かつてあった「恩地日出夫=カッコいい」というイメージ通りだ。
「10年くらい前(03年)に芥川賞作家の村田喜代子さんの『蕨野行』って小説を8年かけて映画化してね。姥(うば)捨て伝説がテーマなんだけど、読んだ瞬間、これはオレじゃなきゃ撮れないとピンときた。で、自分で製作費2億円を集め、渾身の力を込めて製作したんだ。幸い、出来栄えも良く、芸術選奨とか報知映画賞監督賞などの賞をいただき、オレとしてはこれを遺作にしようと思った。なのに、だ。あれから10年以上経ったにもかかわらず、相変わらずピンピンしてる。『蕨野行』に出た石橋蓮司から、“遺作のパート2はいつですか?”ってからかわれてるよ、ハハハ」