監督絶賛! 堺雅人が「パンドラ」で見せる“素の演技力”
堺が演じるのは、クローン技術を生み出す天才医師の鈴木元役。同じ天才でも、「リーガルハイ」のような早口でオーバーリアクションな弁護士ではなく、河毛俊作監督が「最近の堺さんの仕事とは全く違う」とわざわざ引き合いに出すぐらいである。キャラクターありきではなく、役者の素の実力が問われる役。それでも堺は自分の色が出せるという。
「堺さんは今回、あまり動かないんですが、止まっていても速い。ポルシェが止まっていても速く見えるのと同じ。ちょっとした表情や目の動きだけで、風を起こせる人ですね」(河毛監督)
一発当てた役者はその作品で見せた演技の色がつきやすいが、堺の場合はそれに当てはまらず、脚本家や監督にも違った一面を引き出したいと思わせるらしい。
実際、「爆発するような演技が魅力的ですが、イギリス映画のように静かに誰かに恋しているような役がいい」(井上氏)。「カズオ・イシグロの『日の名残り』、あるいは『グレート・ギャツビー』のような作品。ディカプリオよりいいのでは?」(河毛監督)と、それぞれ別の主演作も思い描いていた。引く手あまたも当然である。