映画祭で脚光浴びた 絶滅寸前「時代劇」と日本一の斬られ役
日本一の斬られ役、福本清三(71)がカナダで脚光を浴びた。モントリオールで開催された第18回ファンタジア国際映画祭で、主演映画「太秦ライムライト」が最優秀作品賞、本人も日本人として初めて最優秀主演男優賞を獲得。最年長受賞記録も更新するオマケ付きだ。
時代劇の大部屋俳優と駆け出し女優の心の交流を描いた作品。福本にとっては初主演作での快挙だが、「もともとアジアの作品にフォーカスしてスタートした映画祭。最近は欧州や北米の作品も上映していますが、“日本LOVE”は変わっていません。実際に日本の作品は、これまで多くの賞をもらっている。ただ、大手がつくった“テレビ局映画”を選ばないのがいい。福本は、縁の下で主役を支えてきた苦労人。マニアでなければ名前も知らないような俳優です。そこを評価したのだから、すべての映画人が拍手を送っているのではないか」(映画批評家・前田有一氏)。
海外では、いまだにサムライやニンジャの人気が高い。ハリウッドでは、外国人監督による怪しい時代劇もつくられたりしている。
だが、本家の日本では絶滅寸前だ。遠山の金さんも暴れん坊将軍もすっかりごぶさただし、「銭形」といえば今や平次ではなくルパンである。熱心に時代劇をつくり続けているのも、NHKぐらいのものだ。