日航機墜落29年 「人間ドラマ」で見せたフジ特番に評価の声
フジテレビが12日に放送した「8・12日航機墜落 30回目の夏」の評判がいい。
午後6時半から2時間半にわたり、当時のニュース映像に再現ドラマを交えて報じた特別番組。事故発生と同じ午後6時56分に差しかかると、御巣鷹山で黙とうする関係者の様子も生中継でつないだ。
520人の命を奪った大惨事だ。いまだに多くの人々の記憶に残っている。ところが、その12日に振り返る特番はこれ1本で、NHKもスルーした。現場に一番乗りし、生存者の救出映像を持つ強みを存分に発揮した格好だ。
お茶の間の関心も高かった。平均視聴率は13・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と横並びトップの数字をマーク。放送ジャーナリストの小田桐誠氏も、「良質で見ごたえのある番組だった」と評価する。
番組の予告で強調されていた「新事実」は、目を見張るようなものではない。これまで報じられてきた事故原因が覆ることもなかった。その代わり、乗客同士の会話や操縦室での細かなやりとりの数々を拾い、丁寧に紡いだ印象だ。