映画ロケ地で観光客増も…古都・鎌倉は“痛しかゆし”の理由
ここ数年で最も強烈なインパクトを残した作品といえば、小泉今日子(49)と中井貴一(53)のダブル主演ドラマ「最後から二番目の恋」(12年、14年)シリーズだ。実際にロケ地を回りたいというファンが後を絶たず、複数のまとめサイトが立ち上がる熱狂ぶりで、鎌倉市でも同ドラマの放送が「観光客の誘致にもつながった」(12年度観光実績概要)との見解を公表している。
「海街――」は「最後から――」に劣らず、豪華なキャスティングだ。むしろ、話題性や作品の規模では“格上”であり、観光客数の大幅アップや経済効果が見込めるのは想像に難くない。しかし、鎌倉市は隣の藤沢市とは異なり、ロケーション撮影の支援や誘致する機関「フィルム・コミッション」を設置していない。あえて、地域や観光振興の活性化を狙った積極的な招致はしないスタンスなのだ。
それでも「海街――」には一目置いていて、鎌倉市市民活動部観光商工課の担当者は、「ロケ地に選ばれたことはうれしくもあり、誇らしい」と喜ぶ一方、観光客のマナーが「住民への配慮を欠くことのないように見守っていく」という。
そもそも平日からお客がいっぱいの観光地。映画の効果でさらに観光客が増えるのも、自治体にとっては痛し痒しのようだ。