映画「ビリギャル」ヒットに水差す 原作本に“パクリ疑惑”浮上
「amazonで〈学年ビリ〉のキーワードで書籍検索すると、ヒットするのはこの2冊だけ。ずいぶん前から似たようなタイトルだとは思っていましたが、映画のタイトルが入った文庫特別版の表紙の構図を見て、どうしたものかなあと」
横幕氏が問題提起するのは主に3つ。〈学年ビリ〉という言葉を用いて名門大学への合格をうたったタイトル、表紙の構図、そして書籍の中で紹介されている勉強法で、場合によっては著作権侵害による訴訟も視野に入れているという。果たして、横幕氏の主張は認められるのか――。
著作権に詳しい骨董通り法律事務所の桑野雄一郎弁護士は、「請求棄却となる可能性が高い」とこう話す。同弁護士の話をまとめると、たとえば、「学年ビリ」という言葉は単語そのものが短い上に会話の中で使われる場合も珍しくないフレーズ。タイトル、表紙の構図、勉強法はともにデッドコピー(丸写し)でない限り、両者は別物とみなされる可能性が高いというのだが……。
横幕氏は言う。
「裁判したところで、厳しい結果になるであろうことは理解しています。ただ仮にも教育に携わる人間が、少なからずモラルを問われるような書籍を出しているのには、思うところがあります」
この件について坪田氏の窓口に問い合わせたが、回答期日までに返事はなかった。映画に感化されて原作本を手にした受験生はどう思うのだろうか。