「平清盛」の雪辱なるか 松山ケンイチ「ど根性ガエル」が高評価
NHK大河ドラマ史上ワースト平均視聴率という屈辱的な大敗を喫した「平清盛」主演から3年。松山ケンイチ(30)は、ようやく“低視聴率男”のレッテルを返上するハマリ役に巡り合ったようだ。6年ぶりの民放連ドラ主演となる日本テレビ系「ど根性ガエル」(土曜21時)。11日の初回視聴率が13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と幸先のいいスタートを切ったのだ。
1972年にアニメ化され、大ヒットしたギャグ漫画(吉沢やすみ原作)の初の実写版。が、単なる焼き直しではない。中学2年生のひろしのTシャツに貼り付き、平面ガエルとなったピョン吉とのドタバタ劇から16年後の世界を描く完全オリジナルストーリーである。
松ケン演じる30歳になったひろしは、母ちゃん(薬師丸ひろ子)のすねをかじるだけのプー太郎に成り下がり、ブーたれる毎日。そんな大人になりきれない男と、ピョン吉(声・満島ひかり)の友情を描く青春コメディーだ。ドラマ評論家のこうたきてつや氏はこう評価する。
「青春ドラマは挫折と成長の2つの要素がメーンとして描かれるが、『ど根性ガエル』はグータラなひろしの成長記とピョン吉の寿命を軸にすることで、一本の筋を通し、初回から自分たちが描きたいドラマの方向性を示していた。しかも、ピョン吉の存在は自分の親に置き換えることもでき、ひろしの人物設定にしろ、世代を問わず現代の視聴者の心に響く内容になっていたと思います。現在の日テレドラマのプロデューサー陣は民放随一で、ドラマを制作する上で最も重要な物語の方向性にぶれがない。松山ケンイチの暑苦しい演技も、Tシャツに印字されたピョン吉のコミカルさで薄まり、調和されていて良かった。満島の声も熱演が光り、蒸し暑い夏に下町の人情模様もいい清涼剤となりそうです」