椎名桔平「破裂」低視聴率も…主要人物“ほぼ男”ドラマの魅力

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 土曜ドラマ「破裂」(NHK)は100%の男向けドラマで、おもしろい。

 エリートの心臓外科医が老化した心臓をよみがえらせる治療法を研究・実験しているところに、その療法の副作用(心臓の回復後、心臓が破裂して突然死に至る)に目をつけた官僚が「苦しまずに死ねる。超高齢化社会の解決法」と考え、悪用しようとする。

 シリアスな小説を読むような覚悟で見た方がいい難解さはあるが、医療の発達によって、寝たきりの老人が増えた現在では切実な“生と死”を問いかける大人のドラマになっている。

 何より主要人物のほとんどが男なのがいい。エリート医者に椎名桔平。悪徳官僚に滝藤賢一。治療法の実験台になる老人には仲代達矢。クセのあるおとなの役者が顔を揃え、椎名がそれぞれと対峙する芝居は見応えがある。

 病室で横たわる仲代に椎名は「実験台になるって言ったのアンタだろ!」と、出演していた「アウトレイジ」ばりの凄みで迫る。

 仲代は無気味にほほ笑んだり、味のある受けの芝居。滝藤は屋外で椎名に副作用を利用する案を持ちかけ、「“死ぬな”と言うのは時に“死ね”と言うより残酷だ……」と薄笑いで迫る。ストーリーとは別に芝居のやり合いも楽しめる。脇を固めるのも佐野史郎やモロ師岡とこれまたクセが強い。

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