元麻薬取締官に聞く 高知逮捕は警察へのマトリの対抗心か
覚醒剤所持などの容疑で逮捕された元俳優の高知東生容疑者(51)。手柄を上げたのは、厚労省麻薬取締部の麻薬取締官だ。そういえば、ちょっと前に警視庁の組織犯罪対策5課が清原和博を逮捕したばかり。やはり同じ麻薬中毒者を追うライバル組織として、メンツや対抗意識はあったのか? 元厚生労働省麻薬取締官の高濱良次氏に聞いた――。
■マトリの約半数は薬剤師
一般の人には少しややこしいが、薬物捜査は警察と厚労省麻薬取締部の2組織が行っている。後者の麻薬取締官は通称「麻薬Gメン」「マトリ」と呼ばれ、今回の高知逮捕で名を上げたのはコッチだ。
「まずマトリの特徴として挙げられるのが、約半数が薬剤師だという事実です。私も本業は薬剤師。警察は中毒者を逮捕するのを主な仕事としますが、我々はブツ(麻薬)を押さえ販売ルートを解明するのがメーンになります。とはいえ、世の中も変わってきてますので、最近は警察との垣根も低くなり、合同捜査も多くなりました」
警視庁組対5課は清原の前にASKAを逮捕した。一方のマトリは今回の高知や小向美奈子を捕まえた実績がある。清原やASKAがマスコミに疑惑を報じられた後の逮捕であったのに比べ、高知や小向はまさに寝耳に水の出来事。マトリの方が水面下の捜査では優秀なのですか?