ツマミ不要 桂小枝は落語を酒のアテに毎晩焼酎の水割りを
家飲みはもっぱら麦焼酎「神の河」の水割りですな。これをベッドの横に置いて、ほぼ毎晩一本空けてます。20代前半、30分で日本酒1本空けたことを思うたら可愛いもんですよ。その頃は梅田で無一文になるまで飲んで、住んどった玉出のアパートまで10キロほどを何遍も歩いて帰ったもんですわ。最近は弱ぁなりました。
アテはほとんど食べません。一番は落語。これ、ホンマの話で、チビチビ飲みながら寝るまでずっとDVDとかテレビ放映の録画とか見てます。飲むとね、想像力がたくましぃなって言い回しとか、ふりを自由に考えられるんです。おまけに登場人物の心境とか周囲の人物像とか、ネタの向こう側もさらに深く考えてみたり。時には枕や新作のネタを思いつくこともあります。言い訳やろと突っ込まれたらそれまでやけど、ただ飲んでるわけやないんです(笑い)。
■先代・林家小染さんに言われた「アホほど飲みなはれ」
弟子っこ時代に注目を浴びた「白塗り落語」、覚えてはります?
白粉を顔に塗って、カツラにナスビ乗せたちょんまげ姿で創作落語をやってたんです。もう32年ほど前ですけど、あれは師匠(5代目桂文枝)と酒を飲んでた時の会話がきっかけやった。そのころ、古典落語に行き詰まってまして、「何とかせなあかん」思うて悩んでたら、師匠が「小枝は小枝らしい落語やっていきなさい。周りは気にせんでいい」。こう言いますんや。