原作ファンから非難の嵐 新「デスノート」期待外れの要因

公開日: 更新日:

 しかし、長年の原作ファンだという映画批評家の前田有一氏が、気になるその出来栄えをこう語る。

「原作では夜神月という図抜けた天才がデスノートを拾いますが、こちらの想像を超える使い方をして、たった一冊のノートで世の中を変えてしまう背徳的な面白さがあった。それを阻止するLとの天才対決も二転三転の工夫が凝らされていました。しかし今回のこの映画版では、犯人側にも警察側にも知性や知略が感じられない。キラ登場から10年も経つんだからもっと対策くらいしておけよと100回くらい突っ込みたくなる。『デスノート』にファンが求める高度な知能戦が味わえないんです」

 実はネットでも、試写会を見たファンの投稿は原作のコアなファンほど期待外れという声が多い。

「完結した原作に続編を作るなら、オリジナル以上のシナリオをひねり出すのは作品を愛するファンへの最低限の礼儀なのに、この映画版はそのシナリオ面が一番弱い。観客の予想を超える攻防戦を見せてこそわざわざオリジナル続編を作る意義があるし、それを見せてこそ原作超えのエンタテイメントができるというもの。そもそも夜神月以上の戦術と主人公が思いつかないなら、映画化なんてやめたほうがよかった」(前出=前田氏)

 とっくに完結した原作漫画の人気に頼って、いつまでも「柳の下のドジョウ」を探しているようではファンを敵に回すことになる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか