映画に魅せられ離婚 「グッバイエレジー」監督の波乱万丈

公開日: 更新日:

 1978年に大ヒットした映画「キタキツネ物語」にチーフ助監督で携わり、調布市に新築一戸建てを建てた。映画「ストロベリーロード」をプロデュースし、製作会社を設立して米国進出した15年間には、資金が底をつき、破産を2度も経験。三村順一監督(68)の48年の映画人生はどん底の貧乏と隣り合わせであった。

  ◇  ◇  ◇

 私が10歳の時、親父が42歳の若さで死に、33歳のおふくろと弟と妹の4人での暮らしが始まりました。プライドの高いおふくろが生活保護を申請しなかったものだから、白飯も食べることができず、毎日、だご汁と糠床のイワシやサバばかり。中学時代は弁当を持っていくこともできなかった。周りも貧しかった時代だけど、とにかく金がなくていつも何かを渇望していました。

 それを満たすため映画を志したわけじゃないです。ただ日活の黄金期、トニーこと赤木圭一郎の「霧笛が俺を呼んでいる」なんかを小倉昭和館のスクリーンで見て夢中になり、やがて親父と同じ早稲田に入り、「自転車泥棒」とかヨーロッパ映画を好んで見るようになった。風月堂での時給110円のアルバイト。確かそば30円、天丼が100円。詩集を1冊100円で売って食べたりしたけど、学費も自分で稼がなきゃならなかったから、横浜の寿町で船から陸への荷降ろしを手伝う沖仲仕を、日給1万円でしたりしていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動