悪酔いは一度 伊勢孝夫さんのプロ野球現役時代“豪快酒”
最初はだれか知らんかったから小さい男がうるさいなあと思ってね。ワタシを見いだしてくれた三原脩監督が近鉄からヤクルトの監督になった時に「あいつのバッティングを見て勉強してこい」と言われたらしい。そんな立派なもんじゃないのにね。
若松とほんとに親しくなったんはその後、彼が活躍する前。オープン戦で愛媛・今治にいたワタシの宿舎へ訪ねてきた。サウナから上がってワタシの部屋に来たんで「君はビール飲めるのか」と聞いたら「いただきます」と言うんで一緒にビールを飲んだ。野球、とくにバッティングの話をずーっとしてましたね。彼はしつこいくらい、ああじゃないこうじゃないと言うてね。しまいには8畳間の四隅を空き瓶が一周並びました(笑い)。
そんな経緯があったから32歳でトレードでヤクルトへ行った時、一番喜んでくれた。キャンプをやった九州の湯之元で若松と大矢(明彦)に寿司屋に招待されて歓迎会を開いてくれました。
■広岡監督時代のユマキャンプでは大失態
ヤクルトでは2年目の1978年に日本一になったんですけど、当時の広岡達朗監督は選手は禁酒やという人で。シーズン前にアメリカのユマでキャンプをした時のこと。メジャーのチームとオープン戦をやることになってバスで4時間揺られてフェニックスへ移動。フェニックスに着いたらモーテルのすぐ右隣がバー。それで部屋が一緒やった渡辺進(現・日立製作所コーチ)に金渡してビールを買ってこさせた。