松元ヒロ マルセ太郎さんから学んだ「忖度しない」大切さ

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 それを伝えたくて楽屋へお邪魔したら、以前のことを覚えてらして、そのまま渋谷のんべい横丁でごちそうになりました。それからですよ、暇さえあればマルセさんの舞台に顔を出し、時に手伝うようになったのは。以来、口にこそ出しませんが、弟子のように可愛がってくれました。

■忖度しないで発言しないと笑いを引き出せない

 1988年、昭和天皇がご病気で世の中は歌舞音曲自粛ムード。それをきっかけに仲間とコントユニット「ザ・ニュースペーパー」を結成したところ、時事ネタをメーンに替え歌やパントマイムを加えた構成がウケて、テレビにも少しずつ出るようになったのです。ただ、どうしてもお客さんに合わせたネタをやるのが納得できなかった。昨日は労組の集まりで革新系だったのに、今日は財界関係で保守だったりと、仕事だからしょうがないとはいえ、忸怩たる思いは募る一方でした。

 それには理由があってマルセさんが常々、「思想のない芸、立場のはっきりしない芸は見たくない」とおっしゃっていたのが胸に強く響いていたからです。そして葛藤の末、「信念をはっきり定め、周囲に忖度しないで発言しないと、観客の心の底からの笑いを引き出せない」と気が付きました。

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