撮影現場はセクハラの温床 “アラーキー告発騒動”の根深さ
■芸術の名の下で許されてきた
ハリウッド発の女性によるセクハラ、パワハラ告発運動「#Me Too」の日本版。だが、アラーキーについては、「同じ業界の人間なら誰もが知っていて黙っていただけ」と、出版関係者はこう言う。
「昔からセクハラ常習犯ですよ。撮影でモデルの唇に当然のようにキスをして、乳首を吸うのを当たり前の儀式のようにしていたし、打ち合わせもなく、衣装にワインをかけたり、好き勝手にしてきた。見かねたモデルのマネジャーが止めに入ろうとするとそれをスタッフが羽交い締めにしてスタジオから追い出すといったことの繰り返し。セクハラの公認現場でしたね。告発は時代の流れでしょう。これまでなら泣き寝入りするしかなかったし、しているモデルはたくさんいると思いますよ」
もっとも、こうした行為は、荒木氏だけではないという。
「グラビア雑誌の泊まり撮影でモデルに手を出したり、セフレ扱いをしていた巨匠の武勇伝は、ヘアヌード写真集全盛期には山ほどありました。それでも当時は“芸術”の名の下、すべてが許されてきた。セクハラされた側が、文句を言おうにも、訴える方が間違っているという空気。言えば排除されかねないというのが慣習というか、現場感覚だったんです。それは今もほとんど変わっていないかも知れません」(前出の関係者)
さて、彼らのやってきた行為はセクハラなのか、芸術なのか。荒木氏はこの件に関して一切の取材やコメントを拒否。古くて新しい問題だが根は深い。