室井滋<上>いつからプロの女優になったのか実感が持てない
■ミニコミ誌の連載から100万部
単発のバイトをこなして生活費の足しにした。職種は英会話教材のセールスやパチンコ店のサクラなど100を超える。その中に「物書き」もあった。
「たまたま大学の先輩に頼まれてロケ弁の話を書いたら、好評だったんです。その後も何げなく書き留めていたら、あるミニコミ誌で連載のお話をいただいて、生活が一気に安定した。何より自分の都合で時間をやりくりしてできる仕事だったのが、いちばんありがたかったですね。連載をまとめて加筆したものが本になったんですが、深夜帯のテレビ出演が増えたことも重なってか、驚くことに100万部売れちゃったんです(笑い)」
それが日頃のうっぷんをつづった処女本「むかつくぜ!」(1991年、マガジンハウス刊)で、いきなりミリオンセラー。すぐさま第2弾のオファーが入り、「ホテルで缶詰めにしてもらえたら書けるのになあ~なんて、生意気なことを言ったりしました(笑い)。実際に銀座のホテルに5日間、泊まらせていただいたんですが、最初の2日間は友達を呼んでどんちゃん騒ぎ。残りの3日間で焦って徹夜して書いたんです」。