日テレ「正義のセ」 吉高由里子を励ます安田顕の解毒作用
今期の連ドラが大詰めとなってきた。「正義のセ」(日本テレビ系)も今週が最終回だ。
主演は吉高由里子。近年は翻訳家(朝ドラ「花子とアン」)や脚本家(日テレ系「東京タラレバ娘」)などを演じてきたが今回は検事である。ヒロインの竹村凜々子は下町の豆腐屋で育った庶民派で、融通がきかない上に感情移入も激しい。
原作は阿川佐和子の同名小説だ。阿川の処女小説「ウメ子」は坪田譲治文学賞受賞作品だが、主人公のウメ子はいつも勇敢な行動で周囲を驚かす。そんな少女が正義感いっぱいの大人になったのが凜々子だと思えばいい。当初「検事に見えるか?」と心配した吉高も回を重ねるうちに凜々子をすっかり自分のものにした。
これまで様々な案件を扱ってきたが、先週は女子高生に対する痴漢事件だった。凜々子は被害者に取り押さえられた男(東幹久)を起訴するが、別に真犯人がいたことが判明。つまり冤罪だ。しかし粘りの捜査の結果、男は他の女子高生(AKB48の向井地美音)を狙ったことがわかる。
一度は検事を辞めようかと悩んだ凜々子を、「あなたはいつも被害者のために闘っています」と言って励ましたのは事務官の相原(安田顕)だ。このドラマでは安田の功績がとても大きい。時々パターンに見えてしまう吉高の表情や台詞回しを補う、解毒剤の役割を果たしているからだ。