テレビ史上に残る“放送事故”と子煩悩なロックスターのパパ
「『なんでもかんでも放送禁止さ~』とゼリーが歌う発端は、89年発売の忌野清志郎と山口冨士夫の共作『谷間のうた』をFM東京とFM仙台が放送自粛扱いしたこと。その前年にはRCサクセション『カバーズ』の中の2曲が放送自粛になっています。当日に『FM東京』という曲に差し替えることは、もちろんメンバー以外、誰も知らなかった。前日、リハーサルをしたにもかかわらず、そのそぶりは一切なかった。スタッフの不在時を見つけて密かに練習したのでしょう」
次の曲は、あの「デイ・ドリーム・ビリーバー」だった。
「録画ビデオを見ながら、メンバーは『この落差がスゴい!』などとご満悦の様子でした。翌日、事務所としてフジテレビの編成局にお詫びに行きました。きついお叱りの言葉こそありませんでしたが、それから同局には呼んでもらえなくなりました」
この前年、清志郎に長男が誕生した。
「アルバム『ザ・タイマーズ』の『カプリオーレ』という曲は、竜平くんのおもちゃのオルゴール『ブラームスの子守歌』をカバーしたんですね。かわいらしい泣き声も入ってます。また、RCのツアーではギターの裏面に石井さん(妻)が抱く竜平くんの写真を貼って、わざと裏返してファンに一瞬見せたり、ステージに抱いて登場したり、年賀状が子どもの写真になったり、ほほ笑ましい子煩悩な面が一気に表れました」